実際に平安初期の典籍でもある「先代旧事紀ー国造本紀ー」には、秩父神社が建てられたのは紀元前87年であるという記述も残っているのです。

秩父神社が祀られている神様は、知知夫彦命・天之御中主神・八意思兼命・秩父宮雍仁の４つです。秩父神社で特にパワーがあるとされているのは、学業成就・縁結びの二つだと言われています。

合格祈願・必勝祈願の落ちないパワーや、愛し合う二人の縁をさらに強く結びつけるパワーや気が流れているそうです。ここは観光地化しているので、参拝者が多くて気が乱れるイメージがあったのですが、実際に足を運んでみてビックリ！

癒しの気に溢れていると感じました。摂社や末社がいくつかありますが、すべてからやさしい気を感じられます。さすがパワースポットといわれるだけありますね。

商魂が沸く場所もあるし、一緒に参拝した人との仲が深まるスポットも。1人でお参りしても、思い人との縁結びを助けてくれそうです。

【1】母というものの在り方を説いた「子育てのとら」

秩父神社に訪れると、まず目に飛び込んでくるのは「子育てのとら」です・これは秩父神社の拝殿正面左に彫刻があるのです。

その彫刻は、虎の母親が子どもの虎と戯れる姿を彫刻にしたものでもあります。なぜ子育てをしている虎の姿が彫刻となっているのか、その歴史は戦国時代に遡ります。その昔、武田信玄によって焼失ししてしまったのが秩父神社でしたよね。

武田信玄の手によって滅ぼされ、その後徳川家康の手によってふたたび埼玉の地に建てられることとなりました。なぜ徳川家康が秩父神社を再建し虎を彫刻にして飾ろうとしたのか、その理由は家康の生まれに関係していたようです。どうやら家康は寅年、寅の日、寅の刻生まれであったとされています。

それが理由で秩父神社の四面には、虎の彫刻が施されているといわれています。特に母親の虎が子育てをする彫刻になった理由として言われているのは、家康の威厳とご神体を守る神の使いとして彫らせたものであると言い伝えられています。

それ以外にも当時、虎の群れの中に必ず一匹の豹を描くということが法律で定められていました。その結果、秩父神社では母が豹として描かれているのです。

【3】頭脳明晰の象徴！「北辰の梟」

秩父神社の本殿北側中央に彫られているのは「北辰の梟」になります。梟というのは、智恵のシンボルでもありますよね。実際に秩父神社に祀られている八意思兼命も、智恵の神として崇拝されています。

実はこれが学業成就に御利益があるといわれている一番の理由です。こちらで描かれている梟の姿、それは有名な浮世絵「見返り美人」のようと言われています。実際に梟の体は本殿の方を向いています。その姿で頭は身体と正反対を向いて神々を守っているのです。